関西スーパーマーケットは10月15日、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)との経営統合に関する株主への情報開示を行った。12日に質問を公開した、株主である伊藤忠食品への回答も含まれている。
発表された経営統合予定の3社の事業計画によれば、関西スーパーが2021年3月期の売上高1290億円、営業利益27億円から、5年後の26年3月期には売上高1384億円、営業利益44億円となる計画。同様に、イズミヤは売上高1447億円が1490億円に、営業利益31億円が54億円に。阪急オアシスは売上高1108億円が1154億円に、営業利益は15億円から38億円になる計画としている。
イズミヤ、阪急オアシスの2社は今期からスーパーマーケット(SM)事業の標準化と運営力再構築のための業務改革プロジェクトを推進している。具体的には商品分野では飲料、医薬部外品の共同仕入れ、惣菜やベーカリーの製造共通化、チルドセンターの統合によるフィーの統合と収益性向上、スケールメリットを生かした取引条件の改善、オペレーションの標準化と無駄のカット、経費のゼロベースの見直しなどの施策で、今期を試行段階、来期を実行段階、24年3月期以降を実現段階としている。
また2社の70店舗について30億円の改装投資を実施し、デリカ強化、水産強化、百貨店スイーツギフト導入、冷凍食品強化によるテコ入れも進める。
これらにより粗利改善で12億円、経費削減で25億円を捻出し、改装投資効果8億円と合わせて、2社合算で45億円の営業利益の上乗せを図るという。一方で、関西スーパー、イズミヤ、阪急オアシス3社のシナジーについては考慮していないとしている。
また伊藤忠食品が投げかけていた質問に対しては、前提となる3社の価値評価額と算定根拠、H2Oとの間の表明保証、オーケーとの交渉内容の詳細について明らかにした。買取請求権を行使した場合の買取価格については「現時点で具体的な価格は決定していない」、上場維持後の目標株価の具体的達成時期については「一日でも早く達成されるようにしたい」との回答にとどめた。