伊藤忠食品は10月12日、関西スーパーマーケットとエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)の経営統合議案をめぐり、関西スーパーに質問状を送付したことを明らかにした。伊藤忠食品は関西スーパーの株式を4.75%保有している。

 伊藤忠食品は、上場会社として議決権の行使にあたっては自社株主への説明責任を果たす必要があるとしつつ、関西スーパーから検討に足る十分な情報・検討材料が開示されているとは言えないとして、五つの質問を送付した。今月19日までに適時開示での回答を求めている。

 質問は、①株式交換に当たっての関西スーパー、イズミヤ、阪急オアシスの3社の価値評価額とその算定根拠、②議案が承認された場合の株式買取請求権を行使した場合、オーケーが買付価格として提示している1株2250円を下回ることはないか、③H2Oによるイズミヤ、阪急オアシスの表明保証の開示、④上場維持後の目標株価・具体的な達成時期の目安・株主還元方針、⑤オーケーとの具体的な協議内容。

 また補足として、H2O提案ありきで全体の検討が進んでいたようにも見受けられるため、これまでの手続き・プロセスの公正性についても株主として確認の必要があると指摘したほか、関西スーパーの取締役会がオーケーの提案に賛同しないのでオーケーの提案は実現しない、というふうにも見受けられるとした上で、このことをもってオーケーの提案がH2Oの提案より劣るということにはならないのではないか、と添えた。

 同日オーケーは伊藤忠食品の公開質問状に対して「至極もっともなことと受け止めて」いるとした上で、関西スーパーの株主への説明を注視していくとした。