筆者は、ドイツに住んで25年になる。暮らし始めた当時、「ドイツの日本食はエキゾチックで高級料理、駐在員向け」というイメージが強かったが、最近は、現地化、大衆化が進み、ドイツ人の口に合わせた店が登場したほか、日本と同じ味が楽しめる手頃な店も増えている。

 ドイツには、南欧や東欧などヨーロッパ諸国の料理に加え、中華、インド、ベトナム料理などアジア料理の店も多い。中華料理店のほとんどは、ベトナム戦争でインドシナ半島を脱出した華僑が欧州に渡って始めたもので、料理の味付けや店舗の内装を欧州風にしたドイツ人向けの高級レストランが中心だ。一方、出稼ぎ労働者として戦後大量にドイツに渡ったトルコ人が開いたレストランは、トルコ人向けの手頃な店が多い。中でもトルコ料理の代表格ケバブは4ユーロ程度で満腹になるコスパのよさもあって、マクドナルドなどのファストフードと並んでドイツ人にも人気がある。

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