25年に後期高齢者が急増、行政のフレイル対策が本格化
ユニ・チャームがフレイル対策への取り組みを本格化させる――。フレイルとは、加齢に伴い心身機能が虚弱化した健常と要介護の間の状態のことで、適切なケアで健常な状態に戻れる段階をいう。2025年を分岐点にフレイル対象者は急増する可能性が高い。人口ボリュームの多い団塊世代が25年に75歳以上の後期高齢者に入り、国内の人口動態が大きく変わるのだ。25年を見据え、行政でも数年前から対応に本格的に動き始めた。厚生労働省がフレイル対策事業を始動し、昨年4月からは後期高齢者を対象にフレイル予防・検診「フレイル検診」も開始。国立長寿医療センターでは体重・筋力・歩行・活動性の低下、倦怠感の五つのチェック項目から、フレイル、フレイル予備軍の割合も公表されている。厚労省からは「食事の栄養」「身体活動」「社会参加」の三つがフレイル予防につながると説明されている。
これに合わせて、「共生社会の実現」の貢献を目指すユニ・チャームは、「身体活動、社会参加」につながる尿ケアの取り組みを本格化。尿モレは家族に相談しにくいことから対処品が使えない人は8割以上と多く、それが外出を妨げることから適切な尿モレ対策が社会活動の参加につながる。ただし、「フレイル状態での早すぎる紙オムツの使用は、逆に社会参加を積極的に行う意欲を低下させてしまうことも分かっています」とユニ・チャームの担当者は指摘する。