新型コロナウイルスの関連政策が日本以上に厳しいにもかかわらずマレーシアでは、5月下旬に国内新規感染者が1日9000人を超え、7月16日時点でも1万3215人と最多を更新している。人口が日本の4分の1ほどの国でありながら、累計感染者数は約88万人で、死者は6600人を超えている。そのため、6月1日より再び都市封鎖(ロックダウン)が全土で実施されたが、目立った成果にはつながっておらず、同月4日には人口100万人当たりの新規感染者数はインドを上回った。急速な感染拡大の要因を現地在住の日本人に聞くと、「5月13、14日にあったラマダン(イスラム教の断食期間)明けの祭事『ハリラヤ・プアサ』しか考えられない」という。ハリラヤはイスラム教徒が最も祝いたい祭りで、マレーシア政府もこの期間の帰省が要因だとしている。
激流オンライン » 海外/マレーシア/ラマダン明けの帰省で感染者が急増、経済、政治ともに不安定/ライター 髙田胤臣