欧州（ユーロ圏）ではキャッシュレス決済の普及が著しく加速している。それを裏付けるデータが、欧州中央銀行（ECB）から報告※1された。同調査は、初回は2019年、2回目である今回は22年に実施された。キャッシュレスの普及度を評価する重要な指標である店頭（POS）での決済比率では、カードが全決済の3分の1を超え（19年の25％から22年の34％へ）、前回7割強だった現金決済は10ポイント以上も減少。金額ベースでは今回初めてカードが現金を上回った（カードは43％から46％、現金は47％から42％）。対面での個人間の決済は、今も現金が主流だが、前回から13％減少（86％から73％）。逆にスマートフォンなどによるモバイル決済が3％から3倍以上（10％）増加した。ユーロ圏の消費者は、現金は重要な支払い方法と考えているが、店頭決済ではカードやその他の決済方法の方がよいと回答（55％）。現金が好ましいと考える人は22％にとどまった。
*1 Study on the payment attitudes of consumers in the euro area(SPACE)（2022年12月）
