コロナが事業の採算性を好転させた

 人口減少による地方の過疎化や高齢化社会の進展で、自宅まで商品を届ける宅配サービス、ECや自動車に商品を積んで地域を回る移動販売などラストワンマイルを担う事業が大きく伸長している。中で移動販売はローテク、アナログで、一定の社会的ニーズはあってもビジネスとしての将来性はないと見られていた。しかし、最近は自治体と企業が包括連携協定を結び、その中の一つとして移動販売の運行を開始するケースが全国各地で見られるようになった。

 自治体と協働することで、社会福祉協議会、地域包括支援センターや町内会世話役、NPO法人などとの連携も図りやすくなり、住民への物販以外の細やかなサポートが可能になっている。定期的に巡回することから、高齢者の安否確認や見守り役としての役割も果たせている。

 買い物弱者が増加するのは、高齢で足腰が弱り、遠くまで歩いて買い物に行けない、車の運転ができない、路線バスなどの公共交通機関が廃止になった、代わりに買い物をしてくれる人がいないなどの購入者側の問題と、普段利用していた食品スーパー(SM)、コンビニ、商店が過疎化や大型店出店の影響で閉店し、近くで買い物をする場所がなくなったという売り手側の問題がある。

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