戦争が長引くほどダメージは大きくなる
「原料コストがこれだけ上がっているのに、末端の小売業は安売りばかり。そんなことをしていたら先々海外に買い負けして調達できなくなる」。食糧原料メーカーのトップは、現状に対してこう警鐘を鳴らす。
原料の高騰は複合的な要因が絡んでいるが、共通するのは世界的な経済回復を背景にした需要の急拡大。そして今年に入り、それを上回る相場変動要因となっているのがロシアのウクライナ侵攻だ。ロシアからのエネルギー供給停止、ウクライナの原料輸出制限の影響を受けて様々なマーケットが高騰。そのあおりを受ける形で、食品メーカーが相次ぎ商品の値上げを発表。帝国データバンクの調べによれば、主要食品メーカー105社が、今年1年で累計1万789品目を値上げする計画を立てているという。