フランスでは2020年10月初めに新型コロナの第2波が到来し、同月30日から2回目のロックダウン(全面外出禁止)に突入した。1カ月のロックダウン中、生活必需品店以外は閉鎖され、外出時は外出特例申告書の持参が義務付けられたが、11月末のロックダウン終了後に小売業は通常営業に戻った。しかし、今年1月16日、それまで一部地域に出されていた夜6時以降の外出禁止令が全土に適用されると、一気に様相が変わった。通常夜9時近くまで営業する大型スーパーにとって営業時間短縮は痛手で、食品売り場以外の閉鎖が義務付けられた2万㎡以上のショッピングセンターの打撃はそれ以上だ。さらに大きな痛手を負ったのが飲食店業界で、ロックダウン終了後も政令によりテイクアウトとデリバリーの営業に制限された。

 1月にワクチン接種が始まったが、当面の対象者は、医療従事者と高齢者施設の入居者のみで、感染者の減少にはつながらない。2月12日現在、新規感染者数は横ばいで、3回目のロックダウンには至っていないが、南アフリカや英国の変異型ウイルスが広まりつつあるため、2月半ばに予定されていた飲食店の再開の見通しはつかない。

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