一つ質問すると、じっくりと考え込む。決して軽はずみな受け答えはしない。熟慮断行型なのだろう。昨年4月1日、セコマで11年ぶりの社長交代があった。丸谷智保社長からバトンを受け、丸谷会長、赤尾社長の経営体制が発足。「これまでと何も変わらない」と赤尾社長は笑うが果たしてそうか。インタビューを通じて感じたのは、北海道への強い思い。それが過疎化と高齢化が進む北海道で、業界ナンバーワン企業であり続ける知恵を生み出しているようにも思える。(インタビュアー・栗田晴彦)

鮮度最優先の後入れ先出しが受けた

――コロナ以降、コンビニ業界で既存店が最も好調に推移しています。

 赤尾 20年度は年単位でも前年比プラスで着地しました。我々も都市部や観光地の店舗は厳しいんですが、全体の約9割が住宅立地にあるので、トータルでは他のチェーンさんより打撃が小さいのかなと思います。それと我々はもともとスーパーに近い品揃えをしています。野菜を置いたり、日配品や惣菜を充実させたり。コロナ下の在宅需要を取り込む上では、これも奏功しました。ですからコロナ以降はスーパーさんの既存店が110%ぐらい、他のコンビニチェーンさんが90%台で、当社はちょうどその中間ぐらいで推移しているんです。

 ――もともと品揃えが多いスーパー商材が、コロナ後はさらに売れているのですね。

 赤尾 野菜や調味料、惣菜など家庭で召し上がるものは、総じて伸びています。逆に外で消費されることが多い米飯、小容量の飲料は、前年を割っているんですけど。

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