イトーヨーカ堂が新しい生活様式に対応した売り場を構築した。9月25日、たまプラーザ店(神奈川県横浜市)の2階にあるライフスタイル売り場を刷新。「相当久しぶりの見直し」(梅津尚宏執行役員ライフスタイル事業部長)となる今回の改装では、新型コロナウイルスの影響による変化への対応として、「ウィズコロナ」、「在宅時間の長時間化」、「SDGsや環境意識の高まり」の三つのポイントで売り場を編集している。

「ウィズコロナ」では、「コロナから身を守る」をテーマに、ウイルスを減少させる抗ウイルス加工が施された商品の売り場を設置。手袋やハンカチ、靴下などを取り扱うほか、冬に向けてコート類なども拡充する予定だ。またマスクと関連アクセサリーなど400種類以上を揃えた売り場「マスクの森」も展開。売り場では不織布マスクなどを豊富に取り揃えるほか、口紅やリップの付着を防ぐマスクフレームなども扱っている。同社オリジナル商品として、疫病退散の妖怪「アマビエ」とスワロフスキーのクリスタルをあしらったマスク(5000円)も販売する。

「在宅時間の長時間化」の観点では、コロナの影響で売り上げが伸びている調理関連商品をはじめ、家に居ながらボディーケアができる商品やフィットネス関連商品、テレワーク向けのクッションなどを集積。「SDGsや環境意識の高まり」については、セブン&アイグループ各社が店頭で回収したペットボトルをリサイクルして生産しているオリジナル肌着「ボディーヒーター」やワイシャツ、リサイクル素材の傘、製造時に使用する水量を95%削減したデニムズボン「ウォーターレスパンツ」を取り扱う。

 たまプラーザ店では昨年7月に非食品の売り場を2フロアから1フロアへ縮小する改装を実施した際、取り扱いカテゴリーを婦人と子ども、肌着に絞ったが、新しい生活様式への対応では、紳士服などを復活させた。また新たな取り組みとして、集中レジを導入している。

 今回の改装では、食品目当てのお客を2階に誘導することも狙う。梅津執行役員は、「食品目当てのお客様が2階の売り場をどれだけ利用するかをKPIに設定した。多く利用していただくためにも、データを分析しながら、品揃えや商品構成を変えていきたい」と意欲を示す。イトーヨーカ堂は「マスクの森」を10月21日より全店へ順次拡大するほか、他のコーナーについてもたまプラーザ店での検証を踏まえ水平展開する考えだ。

(写真はマスクや関連商品など400種類以上を揃えた売り場「マスクの森」)