金賞W受賞のおいしさをパッケージで訴求
丸大食品は、今年秋、「変価(へんか)」を商品開発のテーマに設定。ウィズコロナの環境下で生まれ変わった価値に着目し、簡便や健康、楽しさ、おいしさに対するニーズの変化を捉えた商品の提案に力を入れる。新商品21品目、リニューアル商品30品目、計51品目をラインアップし、9月から順次、市場に投入していく。
ハム・ソーセージ部門では、主力商品「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」の販売を強化する。「燻製屋」は、今年、国際品質評価機関の「モンドセレクション」とドイツ農業協会(DLG)主催の「DLG国際品質協議会」の金賞をW受賞、その味に世界的なお墨付きを得た。これを受け、9月から2つの受賞を示すメダルのデザインをパッケージに掲載する。ハムソーマーケティング部・大西部長は、「受賞のシンボルやマークを見て購入を決定する消費者が多いことから、パッケージでW受賞をアピールし、売り上げ増加につなげていく」方針だ。
このほか、ハムを厚くカットした「あらびきステーキ」のツインパックも新たに発売する。これまでの商品は4枚入りだったが、2回に分けて使われるケースが多く、残った分を保存しにくいという声が多数聞かれた。そこで2枚ずつ分けて使えるツインパックにパッケージを変えることで、内容量はそのままに少量利用者のニーズにも対応する。また、これに合わせ、材料の配合を見直し、食感と風味をアップしたほか、新商品「黒胡椒ステーキ」も投入。人気の高いブロックタイプの黒胡椒ソーセージをステーキタイプでも展開し、最近増えている家庭でのバーベキュー需要の取り込みも狙う。
出汁を刷新した新商品で外食需要を取り込む
惣菜部門では、人気商品のスンドゥブシリーズのラインアップを拡大する。2008年に発売したスンドゥブは、12年連続で売り上げナンバーワンを記録する人気商品。この秋は、「海老スンドゥブ」と「牡蠣スンドゥブ」の2商品を追加し、さらなる需要拡大を目指す。
これまでの新商品は豆乳を加えるなどアレンジメニューが中心だったが、今回は、スンドゥブの要である出汁に着目、新たに海老と牡蠣の旨味をいかした商品を開発した。
惣菜マーケティング部・小瀬川部長は、「海老や牡蠣のスンドゥブは、専門店でも人気が高い。新型コロナウイルスの感染拡大で外食の自粛が進むなか、“専門店の料理を家庭でも食べたい”という声も高まっており、それに応える本格的な商品に仕上げた」と、力を込める。さらに、海鮮素材を使うことで、従来、豆腐売り場と行っていたクロス販促を鮮魚売り場にも拡大できることから、小売業に対し、客単価アップ策として、商品を訴求していく構え。
このほか、コロナで増えた家飲みのニーズへは、新商品「チキンバー」で対応する。オリジナルブレンドの13種類のスパイスとハーブで仕上げた骨付きのフライドチキンは、スパイシーな味わい。ビールとの相性もよく、電子レンジやトースターで温めるだけで食べられる簡便さも特徴だ。
今回、「チキンバー」の発売に合わせ、「フライドチキン」のパッケージも刷新した。ニワトリがモチーフの新キャラクター「チキタ」と「チキスケ」を取り入れたデザインで、楽しさも演出している。さらに、新商品投入に合わせ、アサヒビールファミリーセットなどが当たる「家飲み応援チキンで乾杯キャンペーン」を9月に実施。家飲みの定番つまみとして広くアピールしていく計画だ。
今年は新型コロナの影響で食のシーンも大きく変わった。外出自粛により内食需要が高まり、子どもと一緒に料理したり、新しいメニューに挑戦する機会も増えた。そこでハム・ソーセージ部門では、手軽に使えるカット商品「お料理生ベーコン」、「お料理ロース生ハム」なども取り揃えた。一方、惣菜部門では、備蓄需要が高まったことを受け、保存がきくレトルト商品を備蓄しつつ日常的にも使う「ローリングストック」を提案している。
ウィズコロナの環境下で生まれた新しいニーズに対応しながら、楽しく、おいしい食のシーンづくりに貢献することで、丸大食品は、拡大する内食市場を取り込んでいく。