5月14日から緊急事態宣言が順次解除されたことを受け、休業を余儀なくされていた広域集客型のショッピングセンター(SC)も営業を再開した。6月には県外移動の制限も緩和され、人出も回復に向かったが、現在のところ客足はどの程度戻ってきているのか。三井不動産が運営する「三井アウトレットパーク」を取り上げ、分析を試みた。データ提供は商圏分析を手がける技研商事インターナショナルに依頼した。

駅の人ではコロナ前8割まで回復

 まず改めて、6月までで街を行き来する人の数がどれくらい戻りつつあるかを数値で確認してみよう。図1は全国主要6駅の人の往来の推移だ。同意を得た数100万人のサンプルの携帯電話の位置情報から、駅の半径500m以内に一定時間滞在した人を計測した。減少の底はゴールデンウィーク前後。5月中旬、緊急事態宣言の解除が始まった週から徐々に増加に転じている。6月中は全ての都市で増加傾向が継続。19日に県外移動制限が緩和されたのを機に、後半にかけて伸び率が勢いづいたようにも見受けられる。6月末までで、やや戻りが鈍い東京でも今年2月との比較で6~7割、その他はすでに8割ほど人出が回復している状況だ。

 ただ今後の推移については、新規感染者増加の一方で、国内観光支援策「Go To トラベルキャンペーン」は予定通り実施されるなど、人手に影響する諸要因が混在。先行き不透明な状況にあることを付記しておく。

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