商品調達で広がり始めたイオンとの協業

「イオン商品調達は使っています。これからも順次拡大していく方針です」。山口普社長はこう明言する。フジがイオンと資本業務提携を結んだのは2018年10月。この間業務提携のシナジー追求は、リーシングや金融、資材、什器、備品の調達と後方部門の強化に充てられてきた。それから1年有余を経て、今度は営業の前面で実を挙げる積極的な協業効果追求へと動き出したことが如実に窺える発言と言えるだろう。

 フジが現在力を注ぐ戦略的課題に価格訴求がある。「フジは安くない」というお客からの評価を覆すため。そしてドラッグストアを中心とする異業態との価格競争激化への対抗策として必須の戦略となっている。前期(20年2月期)は、1200品目を抽出して、値下げを断行。今期もこの1200品目の洗い直しを実施し、安さの訴求を継続している。イオンの商品調達、開発力に期待を寄せるのは、「価格の優位性もあるし、値入れの確保もできる」(山口社長)ことにある。ユニー、イズミヤと共同開発しているPB「スタイルワン」はその基準を満たし、イオンの「トップバリュ」に切り替える考えはまだないが、ワインのような輸入商材や、留め型と呼ばれる専売商品は、相乗りで販売していく考えを固め、その最後の詰めに入っているという。

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