山手線の新駅、高輪ゲートウェイ駅の構内に無人決済コンビニ「TOUCH TO GO(タッチトゥーゴー)」が3月23日、オープンした。同店は、JR東日本スタートアップとサインポストの合弁会社、TOUCH TO GOが運営するウォークスルー型のレジレス店舗。カメラとセンサーで人と商品の動きを認識して決済する仕組みで、入店のための登録は不要。お客が購入する商品を棚から取ると、出口の前に設置されたモニターにそのリストが表示される。お客は内容を確認した上で、交通系ICカードで支払う。
店舗の広さは約60㎡で、弁当、惣菜、菓子、飲料など約600種類を扱う。店内は無人だが、品出しなどのためにバックヤードに店員を1人配置しており、その店員がモニターを通して年齢確認することで、酒類販売も実現した。決済に使える電子マネーは、当初交通系のみだが、クレジットカードやその他の電子マネーにも順次対応していく予定だ。
カメラとセンサーによる無人店舗は、ローソンやNTTデータなども開発を進めているが、認証の精度が完全ではないため、現状は、利用者を限定した実験店舗に留まっている。タッチトゥーゴーも認証精度は100%ではないが、「誤認をゼロにするために時間をかけるよりも、人手不足解消策として有効なことを示す方が重要」(阿久津智紀社長)との判断から、今回、不特定多数が利用する店舗として出店した。阿久津社長によれば、この規模のコンビニの場合、運営には3人必要だが、タッチトゥーゴーなら1人で運営できるという。
同社では、実際にお客が利用する店舗でその効果を示しながら、人手不足に悩む小売店にこのシステムを提供していく計画だ。なお、システムは定額の利用料金を徴収するサブスクリプション型で提供する予定で、料金は「アルバイト一人の人件費程度(約80万円/月)」(阿久津社長)を見込んでいる。