インフレは今後も続くのか。
過去半世紀、先進国を覆ってきたディスインフレ/デフレの環境は、史上最大級の労働供給ショックによってもたらされたものであり、要因は二つある。一つは、ベビーブーマー世代の子どもたちの労働市場参入と女性の労働参加率上昇による、先進国内部での労働供給増加。もう一つは、中国・東南アジアが経済のグローバル化とともに「世界の工場」として財の生産を担う一方、消費地は先進国に留まったこと——生産(労働)と消費が地理的に切り離されながら、労働力そのものはグローバルに一つの市場へ統合されたことである。この2つの供給ショックが数十年にわたり世界の労働供給を押し上げ、デフレ的な環境を支えてきた(チャールズ・グッドハート、マノジ・プラダン『人口大逆転』)。

















