戦略的協業を進めるスギホールディングス(HD)とトライアルHDがリテールメディアの展開でも連携する。両社は9月30日、スギ薬局とトライアルHDが小売企業横断のリテールメディアネットワークの構築、効果検証方法の確立、共通指標の策定を研究する「TOKYO Retail Media Federation(東京リテールメディア研究会)」を発足したと発表した。

 両社は今年5月4日から31日まで、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県のスギ薬局、西友、トライアル計401店舗を対象に、サイネージおよび店内放送を横断して展開するPoC(概念実証)を実施。人流データを基に算出した推計ユニーク来店者数は約685万人となり、700万人規模の生活者へ接触できる可能性を確認した。また、スギ薬局とトライアルグループの双方を利用した来店者は全体の約2.1%にとどまり、そのうちスギ薬局と西友の重複は約1.8%だった。両グループの顧客層の重複が少ないことから、メディアを横断することで、リーチの重複を抑えながら接触可能な生活者の拡大が見込めると判断し、研究会の発足に至った。

 今後は主に三つのテーマについて研究を進めていく方針だ。まずは「小売企業横断型リテールメディアネットワークの構築とその効果」で、中心エリアやメディアなど各社の強みを生かしたネットワークを構築し、その効果を検証する。次に「『広告的価値』『販促的価値』両輪での効果検証方法の構築」だ。これまでの広告で重視されていた「リーチ/認知」といった指標に加え、「購買伸長」「新規購入率」「リピート購買促進率」「一定期間内の顧客単位購買回数」などを測定し、多角的な効果検証方法を構築する。三つ目が「リテールメディアにおける共通指標作り」で、テレビCMにおけるGRP(グロスレーティングポイント)のような、リテールメディア業界における共通指標の策定を目指す。

 これらにより、従来の単体流通ごとの「販促費」ではなく、売上高合計2.3兆円規模の小売企業横断のリテールメディアネットワークを構築し、広告やマーケティングのあり方を変革することが目標だ。

 現状、パートナー企業として、unerry、東芝テック、SalesPlusなどが名を連ねており、趣旨に賛同する小売企業およびパートナー企業の参画を募る。また、スギ薬局アプリの連携による多角的な効果検証も実施していく考えだ。