あらゆる情報が氾濫する昨今、戦略的な情報発信を担当する「広報」の価値が見直されている。本連載では、資生堂の広報部長、エバラ食品工業のコミュニケーション本部長などを歴任した上岡典彦氏を「講師」に招聘。誌面レクチャーを通し、広報活動のあり方に迫る。
広報部門経験を糧にした経営トップたち
本連載も今回が最後となりました。これまでインターナルコミュニケーション、リスク・クライシスマネジメント、コーポレートブランディング、トップ広報などを切り口に、経営のために広報をどう活用すべきかについて、主に広報が有する機能・役割から語ってきました。最終回にあたりぜひお伝えしたいのは、次代の経営・マネジメント層の育成の場としての広報部門の活用です。
広報の仕事ではマスメディア、インフルエンサーなど社内外の様々な人に出会います。否応なく多様な考え方、意見を知ることになります。そして彼らの主張をしっかり聞き、その上で自社の思いを伝えるために双方向のコミュニケーション力が鍛えられます。また「片足を社内に、もう一方を社会に」や「社内野党」と称されるように、自社の活動を社会の視点から俯瞰して客観的に見る姿勢が身につきます。不祥事などの危機案件が起こった際には、会社を代表して矢面に立つ胆力が求められます。広報の仕事はまさに、企業経営に求められる考え方や行動様式を実践的に身につける格好の訓練の場なのです。















