中国の大手電子商取引企業・京東(JDドットコム)は6月2日、スマホアプリ上で利用できる「オンライン出国免税還付ストア」の提供を開始したと発表した。北京市での完全デジタル型免税還付取引の実施を経て正式に立ち上げたもので、同社によれば中国初の試みだという。北京市はこれにより、オンラインと実店舗が一体化となった出国免税還付の仕組みを整えた最初の都市となった。
サービスの利用者は、JDドットコムアプリの「オンライン出国免税還付ストア」から中国語または英語のインターフェースで商品を購入できる。決済時に身分証明書と入出国情報を入力すると、電子申請書と請求書が自動生成される。商品の受け取り後は、市内の指定還付窓口か北京首都国際空港、または北京大興国際空港で出国前に還付手続きを完了できる。中国本土での対象購入品に適用される付加価値税の還付率は最大9%となっている。
旅行者へ即座に付加価値税還付
リリースによれば、5月29日にはインドネシア人旅行者のアンジェラ氏が同サービスの初期利用者の一人となった。JDドットコムで2319元の携帯電話を注文し、翌日にはホテルで受け取り、市内の指定還付拠点「エンパークプライムホテル北京」にて208元の付加価値税還付を受けたという。
現在の取り扱いカテゴリーは携帯電話・通信機器、家電、パソコン、調理器具、生活家電、パーソナルケア用品など6分野・約300種。今後はデザイナーズ玩具や国内スポーツウェアブランドへの拡充、多言語サポートの強化、対象都市・出国拠点の拡大も検討するとしている。
北京市税務局および北京市商務局の指導のもと、JDドットコムは中国銀行と連携し、購入と同時に還付処理を行う「即時オンライン還付」機能の構築も進めている。
なお、サービスの利用資格は中国本土への継続滞在が183日以内の外国人旅行者のほか、香港・マカオ・台湾住民を対象とする。同一旅行者による同一日・同一店舗での購入額が最低200元以上であること、出国日が購入日から90日以内であること、出国前に商品が未開封であることなど、法定の要件を満たす必要がある。
訪中外国人向けの免税還付は従来、対象店舗での購入後に空港カウンターで手続きを行う手間があり、利用のハードルが高いとされてきた。今回のサービスはその手続きをアプリ上に組み込み、配送から還付まで一連の流れをデジタルで完結させようとするものである。
中国政府が訪問者によるインバウンド消費を政策的に推進するなかで、電子商取引企業が免税還付の手続きを自社サービスに統合する動きは、今後他社にも広がる可能性を示唆している。
















