ウォルマート・デ・メヒコ・イ・セントロアメリカは3月27日、メキシコ国内における店舗網の拡充を目的として、総額60億ドル(約1250億メキシコペソ)にのぼる大型投資を行うと発表した。これは同社にとって過去最大級の投資であり、メキシコにおけるプレゼンス強化に向けた重要な一手と位置付けられる。

 新たに開設されるのは、「ボデガ・アウレラ」「サムズ・クラブ」「ウォルマート・スーパセンター」「ウォルマート・エクスプレス」など、メキシコ国内で広く親しまれているブランドの店舗群。既存3200店舗に加え、今回の拡張によって全国32州・約700の自治体における店舗展開が一層広がる見込み。

 ウォルマートは「今回の施策により、”お金を節約し、より良い生活を送る”ことを可能にする環境をさらに多くの消費者に提供する」としている。地域経済への波及効果も期待される。新店舗の開業に伴い、メキシコ全土で最大5500人の直接雇用が創出されると見込まれており、現在すでに雇用している20万人超の従業員に加え、地域社会の発展にも貢献する構えだ。

中米で高成長するウォルマート

 今回の巨額投資は、同社がメキシコおよび中米地域における事業を長期的に強化・拡大していく意思を示すもの。ウォルマート・デ・メヒコ・イ・セントロアメリカは、その中核企業として、メキシコをはじめとする中米6カ国(コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア)で事業を展開しており、2024年末時点の連結売上高は9580億メキシコペソ、前年同期比で8.1%の成長を達成している。

 店舗・クラブの総数は4000を超え、地域内には32カ所の物流拠点も有する。特にメキシコ国内では、オンラインやモバイルデバイスも含め、毎日500万人以上がウォルマートのサービスを利用している。