英国小売大手のテスコは、AIを活用して顧客の生活を少し楽にする長期計画の一環として、新しいAIアシスタントを試験運用する。まずテスコ従業員を対象にベータ試験として開始される。

 AIアシスタントはまず献立計画を支援し、自然な双方向の対話を通じて個別の料理アイデアを提案する。食事制限などの好みにも対応する。ユーザーが希望に合った料理を見つけると、AIアシスタントはアプリ内で「買い物かご」作りを手伝う。適切な商品を見つけ、過去の購買履歴や好みなどの情報も活用する。

 冷蔵庫や食品棚の残り食材を使い切りたい顧客を支援することで、時間と費用を節約し、食品廃棄を減らし、食事計画のストレスを軽減する個別体験を提供する。

全英28万人の従業員が先行テスト、年内に全顧客へ展開

 AIアシスタントは既存のテスコアプリに直接組み込まれており、約28万人の従業員が日常生活で使用し、年内の全顧客への提供に備える。

 全国に数千の店舗を持つテスコの従業員は、買い物客とコミュニティをよく理解しており、その洞察と経験を活用し、数百万人の顧客ニーズに合わせた一流のアシスタントにすることを狙っている。

 テスコCEOのケン・マーフィー氏は、「長期的には、このアシスタントは人々が当社で買い物をする方法を変革する可能性がある。AIの力を活用して顧客の買い物体験を個別化し、最終的に時間とお金を節約する」と述べた。「当社の従業員ほど、この体験を正しく得るのに適した立場にある人はいない。彼らは自分たちがサービスを提供する顧客とコミュニティを理解しており、今後数カ月でアシスタントの形成と改善をどのように支援するか見極めたい」としている。

トモロAIやオープンAIと提携、昨秋から開発

 従業員からのフィードバックにより、最も効果的な機能の特定、買い物客にインスピレーションを与える新しい機会の発見などを行う。今後は機能を拡張して、顧客の日常生活のより多くの部分を支援し、本当に知的で役立つ買い物体験を提供できるようにする予定だ。

 テスコの社内アプリ、データサイエンス、エンジニアリングチームは、2023年に設立された英国のAIコンサルタント企業トモロAI(オープンAIと提携)と協力し、新たなアシスタントの開発に取り組んでおり、作業は昨年秋から厳格な秘密保持プロトコルの下で行われている。

 AIは長年テスコの業務を支援してきた。クラブカードなどのチャネルを通じてプロセスを洗練なものにし、買い物体験を全体的に改善している。クラブカードでは、小売業者が顧客ロイヤルティに報い、顧客に提供する個別化を継続的に高めている。

 テスコは顧客体験を改善するため、過去5年間で技術チームの規模を2倍にした。また最近、欧州のAIスタートアップであるミストラルと3年間の戦略的パートナーシップを締結し、新しいAI機能を開発している。