ホームセンター(HC)業界はコロナ特需の反動減状態からようやく脱出したものの、依然停滞感が漂っている。積極出店を続けているのはカインズ、コーナン商事、コメリの大手3社に止まる。しかし、この3社でも本格的HC業態での出店は減少している。HCはオーバーストア化が進み、売り上げ効率が低下するなか、特定のカテゴリーの専門性を深掘りして、スピンアウトする専門業態(プロショップ、ペットショップなど)での出店が増えている。もう一つは、建築費の高騰などで採算性が悪化し、十分な面積の新築物件の出店が困難なため、都市型商業施設(SCやGMS)の空きスペースへの居抜き出店も多く見られる。

 最大手カインズはHCの枠にとらわれず、様々な挑戦を続け、現在第三創業期として、新しい価値づくりに取り組んでいる。同社がこれまで大切にしてきた暮らしに寄り添う姿勢やサービスはそのままに、新しい機能やサービスがてんこ盛りの次世代型HC第1号の吉川美南店が12月11日にオープンした。吉川美南店は店舗づくりに通常の3倍の3年間も要した。これまでの「くらしを豊かにする多様な商品を、手に取りやすい価格で提供する」価値に加え、テクノロジーの活用や店舗設計に工夫を凝らしている。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから