公正取引委員会は4月30日、イオンとツルハホールディングス(HD)の経営統合について「競争を実質的に制限することとなるとはいえない」として、独占禁止法に基づく排除措置命令を行わないことを発表した。
今年12月にツルハHDがイオン傘下のウエルシアHDを完全子会社化し、来年1月を目処にイオンがツルハHDを連結子会社化する予定となっており、ドラッグストア業界1位と2位の統合により、約5600店舗、売上高2兆3000億円を超えるドラッグストアチェーンが誕生することになる。
公取委の発表によると、イオングループおよびツルハグループの店舗がいずれも存在する商圏(各店舗から半径2km以内)は全国に1330存在する。そのうち競争者グループが存在しない、もしくは一つのみの商圏が157あり、これらの商圏について統合が競争を実質的に制限することになるか、公取委が審査していた。
その結果、10商圏においては「競争圧力等が確認できなかった」として、同商圏内のイオングループおよびツルハグループのいずれか1店舗を10月31日までに第三者に売却することを求めた。なお、10商圏の内訳は青森県2、茨城県1、栃木県1、静岡県2、鳥取県2、島根県1、愛媛県1となっている。