クスリのアオキホールディングス(以下、アオキ)は7月18日に取締役会を開き、取締役3名の解任を求めるオアシス・マネジメントの株主提案に対して「解任する理由・根拠に乏しい」として反対する旨を決議した。

 オアシスは7月12日、8月に予定されているアオキの株主総会で同社の青木宏憲社長、社長の弟である青木孝憲副社長ら取締役3名の解任を求めるとともに、青木兄弟に対して73億円の損害賠償を求めて提訴中であることを明らかにしていた。

 その理由としてオアシスが挙げたのが、2020年に青木兄弟に発行された発行条件付きの新株予約権だ。中長期の安定成長を目的として、100株あたり1500円で175万株(2人で計350万株、発行済株式総数の11.1%)をそれぞれに付与するというもので、24年5月期以降、経常利益220億円を達成した場合に発行できるなどとされている。

 この新株予約権をめぐり、オアシスは「公正な評価単価」よりも低い価格で発行されるなどとして、昨年の株主総会でも青木兄弟への再任反対を提案したが、主張は通らなかった。今回、アオキの取締役会議事録などから、新株予約権の発行に十分な議論がなされていないと指摘し、改めて青木兄弟ら取締役3名の解任を求めた。

 一方、アオキは、当該新株予約権発行の有効性に疑義があることを印象付けることが目的だと指摘し、「当社に対する不信感を株主に不当に与えるものであり、極めて不自然な行為である」と反論。オアシスが7月12日に公表したアオキのコーポレートガバナンスに関する資料についても「一般株主による議決権行使に係る判断に不当な影響を与える内容が多分に含まれており、当社としては容認しかねる」として、不当な権利行使や情報漏洩に関しては断固とした措置を取ると表明した。

 また、アオキは取締役会で、花王の代表取締役専務執行役員などを務めた竹内俊昭氏、アドミラルキャピタル代表取締役で他に複数の企業で取締役などを務める木下玲子氏を、新任社外取締役候補者として決定。8月に予定する株主総会で選任する予定だ。