人手不足が個店経営と専門量販店化を後退
昨年10月31日、PPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)出身で、ユニーの社長として改革に実績を挙げた、関口憲司氏が病気を理由にグループの全役職を退任した。関口氏は現場主義の経営を徹底。店回りを欠かさず、店従業員の支持も人気も高かった。その関口氏がユニーに根付かせようとしたのが、ドンキ流の個店経営だ。メイトと呼ぶパート、アルバイトに、仕入れや値付けを任せ、地域や個店の状況に合わせた差別化商品の仕入れや価格に柔軟性を持たせる戦略。さらにそれを1歩進め、カテゴリーごとに専門度の高いメイトが接客に当たる専門量販店化も進めようとしていた。それを裏付けるように、3月29日の日経MJには「情熱パートでユニー復活」「仕入れ・値付け一任意識高く」の見出しが躍った。
だが現状は、個店経営、専門量販店化は道半ば、むしろ後退している感すらある。それは、ユニーのアピタ、ピアゴの店を仔細に見るとよくわかる。ユニーは個店経営に歩調を合わせ、コロナが勢いを増す20年から既存店の改装に着手。ユニー本社に隣接するアピタ稲沢店(愛知県稲沢市)は、翌年3月に改装が施された。改装の主眼の一つは、専門量販店集積型GMSの構築。