セブン&アイ・ホールディングス(HD)がイトーヨーカ堂などのスーパーストア(SST)事業の株式について新規株式公開(IPO)の検討に入る。2026年2月期までに構造改革で利益体質を改善させた上で一部株式を売却し、外部企業との連携を模索する。井阪隆一社長(冒頭写真)は「連結にはこだわらない」とし、将来的には完全子会社群を国内外のコンビニ(CVS)事業に集中させる考え。最適なグループ構造への再編により、CVS事業の成長を加速させるとともに、グループ企業価値の最大化を目指す。
4月10日に発表した同社の24年2月期連結決算は、営業収益が前年比2.9%減の11兆4717億円、営業利益が5.5%増の5342億円だった。売り上げ面では、海外CVS事業がガソリン価格の低下などで減収となったものの、商品事業の荒利成長や販管費削減、為替の影響などで増益を確保。国内CVSを中心とした国内事業も成長を後押しした。当期純利益はそごう・西武売却に伴う特別損失などを計上し、20.1%減の2246億円で着地した。