もはや「Eats」にとどまらない――。Uber Eats Japan(ウーバーイーツ)が3月末から処方薬の即時配達を始めた。アプリ経由の注文を着実に伸ばす一方、足元では事業者から商品の配送のみを請け負うサービスを展開し、事業領域を広げている。フードデリバリーから〝物理的な物なら何でも届ける〟プラットフォーマーへと転身を遂げる同社の最新戦略を、中川晋太郎代表に聞いた。

スーパーからの売り上げが昨対80%増

 ――コロナ後の人流回復が顕著です。御社のデリバリーの足元の状況はどうですか。
 中川 今年に入ってもウーバーイーツの成長率は2桁増を維持しています。レストラン部門も引き続き2桁増なのですが、それ以上に伸びているのが食料品・日用品を配達するグロッサリー部門。メインの食品スーパーさんからの総売上高は2023年通年で昨対80%増となり、全体の成長を牽引しています。

 ――人々が外に出る生活に戻っている中で、引き続き利用されている要因はなんでしょう。
 中川 一つは我々のサービスって、使う前はそれほど切迫に必要性を感じないのかもしれませんが、一度使うと「めっちゃ便利じゃん」と実感されるサービスだと自負していて。コロナの緊急事態宣言中に一気に新規の方が増えたわけですが、終わった後も利用状況がほぼ落ちない。ユーザーの方が離脱しにくいサービスということがあります。加えて、先ほど申し上げたカテゴリーの拡大があり、利用頻度が上がっているんですね。これまで3カ月に1回食事を注文していた方が、月に1回、日常の買い物もウーバーイーツでしようとなっている。そのうち週に1回アプリを開くようになっていただければ、その中でまた食事にしろ、買い物にしろ使っていただける。そのコンビネーションで成長を持続できていると見ています。

 ――一度使ったユーザーが定着し、利用頻度・シーンも増えていると。
 中川 そうです。あとは、そうは言ってもまだ一度も使ったことがない方も多いので、そもそも成長市場だということは言えると思います。同じ時期に開始したオーストラリア、フランス、台湾なんかと比べても、日本は未利用の方が多い。

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