香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが、今月4日までに、調剤薬局・ドラッグストアチェーン大手のアインホールディングス(HD)の株式9.6%を取得していたことが分かった。オアシスが6日提出した株の大量保有報告書で明らかになった。保有目的はポートフォリオ投資及び重要提案行為としており、「株主価値を守るため、重要提案行為を行うことがある」としている。

 オアシスは、昨年、ツルハHDの株式を取得し、株主提案を行ったことでその名が知られるようになった。

 アインHDは、積極的なM&Aで事業を拡大、調剤薬局チェーントップ売上高を誇る企業だが、昨年8月31日、薬局事業を手掛ける事業会社、アインファーマシーズの当時の社長と取締役が北海道警察に公契約関係競売等妨害罪の容疑で逮捕されている。その後2人は11月に辞任した。また、調剤売り上げトップの座も、ウエルシア・ツルハの経営統合により、譲り渡す見通しだ。

 オアシスは、ツルハ株をイオンに売却したことで、ツルハ・ウエルシアの経営統合に道筋をつけたが、同様に、アインの株式をどこに売却するかで、調剤薬局業界の再編につながる可能性もある。アインの第3位の株主であるセブン&アイ・ホールディングスも含め、今後の動向に注目が集まりそうだ。