アインホールディングス(HD)と丸紅は3月14日、ドラッグ&コスメティックストア「アインズ&トルペ」のアジア展開を目的とした合弁会社を設立したと発表した。アインズ&トルペ初の海外店舗をマレーシア・クアラルンプール市内の商業施設「パビリオン・ブキット・ジャリル」に開業する蔦屋書店内に今年5月にオープンし、コスメ、化粧雑貨など、マレーシア初となるブランドを中心に、品質に定評がある日本発の商品を展開する。2022年中にはクアラルンプール市内に複数店舗を出店する予定。

 アジア太平洋地域の化粧品関連市場は世界のおよそ4割のシェアを占め、中でも東南アジア各国の市場は経済発展と共に年々拡大している。市場の拡大と共に、消費者の美容・コスメへの関心も高まっており、より個人の嗜好にマッチした商品や美容知識を提供する店舗を求める声が増えると想定されるという。

 マレーシアでは、コスメなどのパーソナルケア商品の人口当たりの支出が多く、また、アインズ&トルペがターゲットとするミレニアル世代およびZ世代の人口比率が高い。消費者のデジタル親和性があり、SNSをきっかけとした消費の増加や、オンライン販売手法の多様化など、ダイナミックな消費行動の変化が起こっている。

 これら消費者の行動変化を先取りした新しい小売りの形を追求すべく、アインHDと丸紅は、幅広く専門的な品ぞろえで、ビューティーケアからヘルスケアまでサポートするアインの店舗運営と、丸紅グループの海外合弁事業の経験と次世代事業開発の知見を生かし、ミレニアル世代およびZ世代に対して店舗でもオンラインでも垣根なく接客を行い、ニーズに合った商品を選べる環境を提案していく。

 アインHDと丸紅は、マレーシアを足掛かりに、アインズ&トルペのアジア各国への展開も目指す方針だ。