「地の恵み スパイス&ハーブ」の可能性を追求するエスビー食品が新機軸を打ち出す。2024年春夏商品は新製品53アイテム、リフレッシュ品23アイテムの76アイテムをラインアップ。発売後1年間の売り上げ(小売りベース)目標として約80億円を掲げる。
洋風スパイス12年ぶりの新ブランド
香辛料カテゴリーでは、長年、日本の市場を牽引してきた洋風スパイスのさらなる利用機会の創出を図るため、新ブランド「スティックスパイス」(3本入り)を発売する。
スティック1本は小さじ1杯分の容量になっていることから計量不要で、個包装でいつでも開けたての香りを楽しめる。さらにスリムパッケージを採用しており、外袋は折りたたんで保存することも可能だ。
ラインアップは、合計12品目で、洋風スパイス市場金額の約7割になる素材ニーズをカバーする。発売の背景には洋風スパイスを直近で購入しなくなった離脱者の約6割、購入未経験者でも約2割が依然洋風スパイスに関心を持っていることがある(同社調べ)。一方、少人数世帯の増加などにより、従来の瓶タイプの商品スパイスは、「使い切れない」「使い方がわからない」などの理由が購入のハードルとなっていることから、使い切れる安心感のある小分けタイプの商品で洋風スパイスの潜在ニーズに対応する。
今回、トライアルニーズを喚起するためパッケージ裏面などでレシピを提案する。発売に合わせてオープンするブランドサイトには、冷凍食品を活用した〝クミンフライドポテト〟、〝チリパウダーで作るメキシカン枝豆〟などの1本使い切りレシピや、ターメリックとクミン、コリアンダーの各1本を組み合わせて作るチキンカレーなど、多数を掲載。シナモンとコリアンダーをミックスナッツとともにバニラアイスにかけて楽しむデザートなどもあり、思わず使ってみたくなるレシピを訴求した。
同社は1953年に洋風スパイスのシリーズを発売して以来、ニーズを喚起する商品展開で市場を拡大してきた。現在では、小容量・低価格でトライアルユーザー向けの「スマートスパイス」、使い勝手に徹底的にこだわった品揃え最大のメインブランド「スパイス&ハーブ」、高級志向に応える「フォション」、日本初の有機JAS認証フルラインスパイス「オーガニック」などをラインアップ。時代の変化とともに価値観が多様化している中、〝使い切れる〟という利便性による価値に今回着目した。小分けタイプの「スティックスパイス」の投入で、洋風スパイスに対する心理的なハードルを下げることで、市場の裾野の拡大を図っていく。