日本郵政、日本郵便、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)は2月21日に「社会課題の解決に向けた連携強化」に関する協定を締結、同日に東京都内で共同記者会見を行った。

 2018年から連携している両グループは今回、「郵便局・駅の地域コミュニティ拠点化」、「持続可能な物流の実現」、「アセット活用による共創型まちづくり」、「地域産業振興と新たな地域事業創造」、「デジタル化による地域の暮らし支援」を、特に強力に推進する5本柱と位置づけた。

 中でも「2024年問題」が間近に迫る物流に関しては、両グループのこれまでの知見やネットワークを組み合わせて、人手不足や環境問題への対応を目指す。まずは24年度中に駅の多機能ロッカー「マルチエキューブ」にゆうパックの受け取りサービスを導入する予定で、集荷や再配達の負荷低減を図る。

 また、今後は鉄道車両と郵便車両を組み合わせたリレー輸送などで物流の省力化を図るとともに、環境対策では輸送量あたりの二酸化炭素排出量で車の約10分の1を目指し、「物流のリ・デザイン」を実現する方針だ。将来的には、JR東日本路線での貨客混載などの取り組みも進めるという。

 JR東日本の深澤祐二代表取締役社長は「すでに新幹線での荷物輸送を行っており、現在はより大量の荷物を運ぶオペレーションの実証実験を行っている。来年度以降、実際に運用していきたい」と語った。

 また、日本郵政の増田寛也取締役兼代表執行役社長は「JRグループの他社とは都市開発などに取り組んでおり、今回のような連携を広げていければ良いことだと思う。まずはJR東日本との取り組みで、しっかりと成果を出していく」と意気込む。

 両グループはほかにも、郵便局と駅の一体運営の強化や、ゆうちょ銀行とモバイルSuicaの連携によるキャッシュレスサービス提供などを通じて、社会課題の解決に幅広く貢献していく構えだ。