足元で人手不足感が強まってきた

 2024年の食品スーパー(SM)業界は、デフレ下の経営戦略から転換が求められる。中でも一番の課題に挙がるのが「ヒト」への投資だ。23年は大企業を中心に30年ぶりとなる高水準のベースアップが相次いだ。24年も商品値上げが緩やかに続く見通しで、政府も労組も物価上昇率以上の賃上げを求めている。新規採用と定着の両面で人件費アップは不可避の情勢で、投資余力がそのまま企業間格差の拡大に直結しそうだ。

 大手SM各社の足元の業績は悪くない。上場企業を中心とするSM26社の23年度上期の業績は18社が増収増益で、黒字転換・営業損失幅縮小の3社を含めれば、全体の8割を占める21社が増収増益となった。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから