〝地獄を見た〟三陽商会が前向きな姿勢に転じる

 2023年上期百貨店、総合スーパー(GMS)、ショッピングセンター(SC)などの衣料品売り上げの回復傾向が鮮明になっている。これらの業態にテナントとして出店、あるいは商品を供給しているアパレルの業績も活況を取り戻している。

 回復基調にある要因は世の中全般に言えることだが、外部環境の変化によるところが大きい。コロナが5類に移行、行動制限が解除され都市中心地に人出が戻り、インバウンドも回復した。実質賃金はマイナスが続いているが名目賃金は上がり、株価も上昇し、金融資産が潤っている人が増え、これらが消費に回っている。衣料や身の回り品に関しては、今年に入るまで、社会的行事は中止もしくは延期、冠婚葬祭は近親者のみ、宿泊を伴う旅行は自粛となり、実用衣料以外の衣料品の需要は減少していた。5類への移行とともに各種行催事が再開され、この3年間買い求められていなかった外出着、セレモニー用服、靴やバッグなどの服飾雑貨が活発に動くようになった。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから