福岡県北九州市に本社を置くシャボン玉石けんは、今年8月、九州エリアの病院で使用した業務用ハンドソープボトルの水平リサイクルの実証実験を開始した。この取り組みは、化粧品・トイレタリー容器の再生事業を行うBEAUTYCLE(ビューティクル)と北九州市立病院機構 北九州市立八幡病院との3者協定の締結によるもの。シャボン玉石けんは今後、同エリアの病院や介護施設でこの取り組みを広げていく意向だ。

 水平リサイクルとは、使用済み製品を原料として用いて、再び同じ種類の製品を製造すること。本実証実験では、八幡病院内で使用されている同社の業務用ハンドソープ「手洗いせっけんバブルガード」の使用済み容器を、佐賀県にあるビューティクル工場にて洗浄、粉砕、樹脂化の工程を経て新たな容器として再生し、同病院内で再利用する。

 八幡病院ではこれまで、衛生管理上の観点から、使用後のボトル容器は詰め替えをせず、ボトルごと処分しており、SDGsの観点からもこの現状を問題視していたという。シャボン玉石けんマーケティング部の川原礼子氏は「成功事例をつくり水平リサイクルの取り組みを業界内に広めていきたいです」と話す。

 シャボン玉石けんは2019年に北九州市と「SDGs包括連携協定」を締結。これを皮切りに、八幡病院をはじめ、産学官民で連携し勉強会やイベントなどを定期的に開催、手洗いの啓発や感染症対策の促進に努めている。今後は、企業理念の「健康な体ときれいな水を守る。」をもとに、商品の中身だけでなく、環境配慮型の容器利用も推進し、業界内でSDGsの活動をリードしていく構えだ。

(冒頭写真 左から北九州市立病院機構 北九州市立八幡病院の岡本好司院長、BEAUTYCLE杉山大祐社長、シャボン玉石けん森田隼人社長)

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