イオンは9月26日、イオンビッグとマックスバリュ(MV)南東北を合併すると発表した。イオンビッグを存続会社とする吸収合併方式で、効力発生日は2024年3月1日を予定している。

 イオンビッグとMV南東北は、イオングループのディスカウントストア(DS)事業に属し、DS業態「ザ・ビッグ」を運営している。イオンビッグは関東、中部・東海、近畿のザ・ビッグを順次継承しながら現在95店を運営。22年度の売上高は2210億円だった。一方、MV南東北は宮城と福島に28店を展開。22年度の売上高は478億円。合併後の売上規模は単純合算で約2700億円となる。

 イオンは先般、東北エリアに展開するイオン東北とイオンスーパーセンターの経営統合を発表。その際にはMV南東北の有するDS業態には言及がなく、所在に注目が集まっていた。結局イオン東北に組み入れられることはなく、DSの専門会社にまとめられる形となった。

 イオンは21年にハードDSのビッグ・エーとアコレを統合。DS事業のテコ入れに向けて再編を進めてきた。ザ・ビッグ業態はまだイオン東北が一部有するほか、MV西日本も兵庫・中国地方の一部店舗を抱えるが、経営体制の整理は着々と進みつつある。一方で20年に新DSとして立ち上げた「パレッテ」は、今年3月の厚木長谷店(神奈川県厚木市)でようやく8店目と業態確立に苦戦の色も見える。価格志向が高まる中、イオンのDSがお客の支持を取り込み成長軌道に乗れるかどうか、ここからが踏ん張りどころと言えそうだ。