くら寿司は5月9日、台湾の高雄市に同社として最大の店舗面積、席数を誇る回転寿司「グローバル旗艦店 高雄時代大道」をオープンする。
店舗面積は876.75㎡、座席数は288席(ボックス席48席)で、通常のくら寿司店舗の約1.5倍の規模。デザインは2020年、東京・浅草にオープンしたグローバル旗艦店を手掛けた佐藤可士和氏に依頼。建物正面に200個のカラフルな「提灯ウォール」を設置しているほか、内装は白木の柱やテーブル、畳のシートや暖簾を使用した半個室など、日本らしさと和のぬくもりを感じられる、和モダンなデザインに仕上げた。海外でのグローバル旗艦店は同店が初となる。
くら寿司は日本に約540店を展開する一方、海外では米国で46店、台湾で50店を展開している。台湾では2014年の進出以降、コロナの中でも出店を続けてきた。22年10月期の業績は、日本の売上高が1499億円、台湾が159億円で日本の1割ほどだが、同期の経常利益は日本の11.6億円に対し、台湾は14.3億円。日本事業が様々なコストアップ要因で大幅減益を余儀なくされたのに対し、台湾事業は好調に推移している。
同日くら寿司は、海外戦略の中期目標として、2030年までに400店舗、1500億円の達成を目指すと発表。また今年の夏には上海1号店を計画、アジアの他の国への進出に向けた調査も行っていることを明らかにした。
現地での会見に出席したアジアくら寿司の西川健太郎董事長兼総経理は、会見に出席できなかった田中邦彦・くら寿司社長のメッセージとして、「コロナ収束に向けて世界の経済が動き出している今、明日オープンするこの旗艦店がくら寿司のグローバル化に向けて加速していく一歩だと考えている」と意気込みを代読した。