くら寿司は、アフターコロナを見据え、店内飲食強化に向けたグローバル旗艦店「くら寿司スカイツリー押上駅前店」を3月31日に開業する。

 店舗は2層で、面積は標準店の2.4倍の834㎡、席数は同1.4倍の277席。同社によれば、面積・席数ともに同社最大、世界最大規模だという。

くら寿司には珍しい2層の店舗だ
席数277席はくら寿司最大規模になる

 店舗の特徴は、店づくりにエンターテインメントを導入した点だ。

 テーブルで皿カウンター水回収システムに皿を入れると5枚ごとにゲームができる「ビッくらポン!」は、同社オリジナルのエンタメだが、新店舗では、これを大型化・デジタル化した「ビッくらポン!DX」と、射的をデジタル化した「ビッくらギョ!」を導入。テーブルの「ビッくらポン!」で当たりが出ると、会計終了後、大型デジタルサイネージを使った「ビッくらポン!DX」や「ビッくらギョ!」で遊べる仕組みだ。

大型化・デジタル化した「ビッくらポン!DX」は、1階と2階に設置されている

 田中信取締役副社長は、「コロナ禍が落ち着いたらやりたいことについての調査では、旅行に次いで外食が多いことから、コロナ後を見据え、店内飲食の強化に取り組む。また、外食に求めるものとして、非日常、レジャー性を挙げる声が多いことから、今回の新店舗では、エンタメ性を店づくりに取り入れた」と説明した。

2階に設けられたデジタル射的の「ビッくらギョ!」

 店舗デザインは、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当。色とりどりの提灯を並べた「カラフル提灯ウォール」や「巨大浮世絵」「ロゴウォール」など、ゲーム以外でも楽しめる要素を店づくりに盛り込んだ。

窓には色とりどりの提灯を並べた「カラフル提灯ウォール」が設けられた

 グローバル旗艦店は、これまで、「浅草ROX店」「道頓堀店」「原宿店」の3店舗を出店しており、「スカイツリー押上駅前店」は、4店舗目となる。1号店の「浅草ROX店」は、東京オリンピック・パラリンピックで外国人客が増えることを見据え、日本文化と和食をアピールする店舗として2020年1月にオープンしたが、その直後にコロナ禍が発生、インバウンド客の需要は消失した。

 しかし、感染防止対策の徹底などで、日本人客を取り込み、当初の売り上げ目標には達していないものの、業績は好調に推移しているという。「押上駅前店」も長期的にはインバウンド需要の取り込みも視野に入れているが、まずは、地元客と日本人観光客の取り込みに注力する方針だ。