すかいらーくホールディングス(HD)は8月12日、2022年12月期中間決算を発表した。インフレ影響のコストアップが重く、24億円の営業赤字となった。
売上収益は前期比11.8%増の1416億円だった。前年は2回の緊急事態宣言を含んでいたことから、イートインの売り上げが増加した一方、デリバリー・テイクアウトは減少した。ただコロナ感染者の拡大を受け、計画値に対しては大幅未達となった。
利益面では食材の原価高騰18億円、人件費6億円、光熱費16億円のインフレ影響分41億円のほか、回復が遅れているロードサイド店など約100店の閉店見通しによる減損損失23億円、5分単位管理を1分単位に切り替える給与計算に関する臨時損失20億円も計上した。
特に食材の原料高騰と光熱費は下期にさらに拡大すると見ており、人件費を含むインフレ影響の年間見通しを従来の約1.6倍の123億円に修正。合わせて期末業績見通しもコロナ影響で売り上げの回復が遅れていることから、売上収益3120億円(修正前比7.1%減)、営業利益5億円(95%減)とした。
対策として、下期は客単価向上と生産性向上に取り組む。価格政策は7月に都市部において通常価格よりも高い「都心型価格」を設けたが、その都市部のうち、山手線圏内の店舗を中心にもう一段上の「超都心価格」を設ける。またプレミアム商品の投入、メニューのラインアップも地域別に3パターンにする。合わせて営業時間の短縮、自社配達店舗の絞り込みと宅配業者との協業強化、セルフレジなどの導入、製造工場のライン再編、DXによる本部業務の効率化などで生産性向上を図るとしている。