食品スーパーの9割以上が賃上げに前向きであるものの、コストの上昇との板挟みになっているーー。全国スーパーマーケット協会は2月21日、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会とともに実施したスーパーマーケットの賃上げに関する緊急調査の概要を公表した。調査は、岸田文雄首相の年頭会見における賃上げ要請などを受けて行ったもので、全国の食品スーパー508社を対象に実施し、115社から回答があった(回収率22.6%)。
この調査によると、55.3%が「4月以降に賃上げを実施する予定」と回答。「検討中」(44.7%)を合わせると9割以上の企業が賃上げに前向きな姿勢を示している。賃上げ実施予定の企業は正社員数51名以上の企業がほとんど。賃上げ幅は2~5%が34.2%と最も多く、次いで2%未満が15.8%となっている。賃上げ実施の内訳は、定期昇給が83.9%、ベースアップが64.3%。
一方、「検討中」「実施しない」と回答した企業の約8割が「経営コストの上昇」を理由として挙げているほか、「売り上げの低迷」も34%あった。こうした企業からは賃上げ支援として税制優遇やコストを転嫁しやすい環境づくりを望む声が多く挙がっており、政府は賃上げを後押しする政策が求められている。