東三河地域で初となる、イオンの大型モールの誕生だ。イオンは4月4日、愛知県豊川市に「イオンモール豊川」をグランドオープンする。

 建物は地上3階建てで、延床面積は11万3000㎡。愛知県南東部、名古屋鉄道豊川線八幡駅の至近に位置し、公共交通アクセスに恵まれるとともに、国道1号線から東に約600mと幹線道路からのアクセスも良好、東三河全域から集客が期待できる立地だ。

 モールコンセプトは、「はじめてを、はじめよう。」。新たな出会いと体験を創出する街のにぎわい拠点を掲げ、地域最大級の食品売り場を設ける「イオンスタイル新豊川」を核店舗に約190店の専門店を導入。豊川市は30~40代が多く居住し、子育て世帯は3世代で住まう家庭も多いことから、平日は共働き世帯のデイリーニーズ、休日は家族で1日過ごせる滞在・体験型の需要を取り込み、年間900万人の来館を目指す。

スタイリッシュな内装デザイン(パースはイメージ、以下同)

 施設の目玉は、複数設けられた緑豊かなガーデンスペースだ。まず1階には、体に障がいがある人もない人も一緒に遊べるインクルーシブ遊具や噴水、アウトドア体験ゾーンやバスケットコートを備えた「グランドパーク」を設置。2階には、大屋根を配し、悪天候の中でも緑豊かな芝生エリアや開放的なテラス席でゆったり過ごせる「セントラルパーク」を設けた。「ニューノーマルへと生活様式が変化する中、お客様同士が憩いの場に集い、生活を豊かにアップデートできる体験を提供したい」と園谷益男ゼネラルマネージャーは店づくりの狙いを語る。

1階の「グランドパーク」
2階の「セントラルパーク」

 店舗は、大型アウトドア専門店から話題のライフスタイル専門店までを充実させた。食の専門店は53店を展開。1階には地元の名産品や人気の生鮮3品、デザートなどを扱う21店からなる食物販ゾーン「豊かなマルシェ」を配置。そのほか2階、3階にはセントラルパークと隣接する位置、あるいは見下ろせる位置にレストラン、フードコートも設ける。

食物販ゾーン「豊かなマルシェ」
セントラルパークを見下ろせる3階のフードコート

 核店舗の「イオンスタイル新豊川」は衣食住を網羅したGMSだ。フルラインでの出店は東海エリアでは2018年の津南以来となる。イオンが推進する「体験型ライフスタイル店舗」の最新店として、提案型の冷凍食品売り場、自社のスポーツウェア専門店「スポージアム」と靴専門店「アスビー」の融合売り場、店舗でECの注文・受け取りができるOMO売り場などを設ける。

 食品売り場は生鮮の鮮度にこだわり、特に鮮魚はイオン最大級の売り場を展開。地元漁港の「朝獲れ鮮魚」、当日仕入れの鮮魚をネタにした鮨や魚惣菜を拡充する。また東三河の食文化を取り入れたオリジナル惣菜を開発するほか、和日配、酒類などで地域産にこだわった商品を展開する。

 近隣に住む子育て層の需要に応えるべく、イオン自主企画の子ども売り場「キッズリパブリック」では地域最大級のベビー用品を取り揃える。授乳やおむつ替えなどに使える「赤ちゃん休憩室」は5部屋中3部屋を男性でも利用できるようにする。ランドセルの通年販売など学童用品の展開も強化する。

 イオンスタイルの店内には約60台のデジタルサイネージを設置し、新しい形のプロモーションを展開する。またAIによる勤務計画作成や情報共有ツールなど、従業員の働き方にもスマート化を取り入れる考えだ。

外観イメージ

イオンモール豊川
所在地:愛知県豊川市白鳥町兎足1-16
延床面積:約11万3000㎡
商圏:約10km圏 約17万世帯 約43万人
来館者目標:年間900万人(SC全体)