英国では物価や光熱費の高騰による生活苦が深刻化している。2022年の法定最低賃金は前年より6.6%上がったものの、11%というインフレ下では焼け石に水だ。賃上げを要求するストライキはまず配送運転手や倉庫労働者から始まり、昨年の夏には各産業の労働組合から「要求が通らなければ冬にはストを決行する」という声明が相次いで出されていた。

 今回のストは鉄道員、郵便配達人、看護師や救急隊員を含む各種公務員、空港の入国審査官などさまざまな職種にまたがる過去30年で最大の規模となることがわかり、クリスマス頃には英国社会が麻痺してしまうのではないか、繁忙期となる小売業の物流にも影響が出るのではないかといった懸念が広がった。実際、12月に入るやほぼ毎日何らかのストが行われ、主要新聞は「ストライキ・カレンダー」なるものをウェブサイトなどに掲載した。

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