リアルタイム性を最重視した次世代型MDシステム

 DXへのシフトが小売業の成長に直結する時代に入った。業績が好調なSM各社は、古いシステムからクラウド型の最新システムにいち早く刷新。データ利活用、リアルとデジタルの融合など、属人的な仕入れ交渉力や経験・勘だけに頼らない店舗運営を進めている。こうした中でリアルタイムのデータ情報・分析することに強みを持つアイネスにも問い合わせが急増している状況だ。

 同社は1964年に創業し、90年には東証一部に上場。ソフトウェア・システムの開発・構築から保守・運用、ITコンサルティングまでIT環境の一貫サービスを手掛け、長年多数の取引先から信頼を得て、売上高422億円まで成長している。

 小売業向けには、流通基幹ソリューションの次世代型MDシステム「REAL MD」(冒頭写真)を提供。基幹システムソリューション、商品周りのMDコアソリューション、発注や棚割り、EDIなどのMD支援ソリューションを提供しており、本部と店舗が携わるすべてのシステムを網羅している。さらに発注、請求書などには23年10月から消費税の仕入税額控除の方法として本格導入される「インボイス制度」にも対応。インボイス制度の導入は目前に迫っていることから小売業は早めの対策が必須となっている。

 これらの機能についてデータを溜めずにリアルタイムで情報提供できるのが「REAL MD」の最大の特徴だ。小売業の日々の膨大なデータ(レシート明細など)を高速処理して蓄積し、それをリアルタイムで演算処理して様々な業務支援につなげる。特に発注や棚割りで機能を発揮し、各店舗の商品の売れ行きや棚の出荷状況をリアルタイムで解析。商品の在庫数の確認、機会ロス削減、最適な補充頻度、発注精度の向上、欠品情報の抽出などを実現する。また「REAL MD」の基本機能としてダッシュボードで出力できる分析機能「REAL MD BI」がある。

「REAL MD」は受発注データを高速処理することが強みであることから、多店舗経営している仕入れ商品アイテム数が多いスーパー、ホームセンター、専門店などに最適なシステムだ。金融・社会ソリューション本部の木村浩之第2課長は「リアルタイムの情報による店舗運営の活性化、MDの分析による魅力ある店作り、ロスの削減の三つの効果が上げられます。実際に導入された企業は、システム刷新をコストではなく、投資として捉えて増収増益を達成されています」と「REAL MD」の導入効果について強調した。

「REAL MD」の基本分析機能「REAL MD BI」

データを可視化・分析したレポートを数十種類用意

 またアイネスではデータを可視化するコンサルタント活動にも力を入れている。そのサービスとしてデータ可視化・分析ソリューション「Visualized CDA」の提供も始めた。

 まず、顧客の内部と外部からデータ分析に必要なデータをすべて収集。それを備蓄、加工、分析・可視化し、顧客の要望に応じてカスタマイズする。データ分析に必要な構築プロトコルをトータルサポートし、一目で状況が分かるレポートとして提出するサービスだ。その際に、クラウドのAWS(アマゾンウェブサービス)を使用する場合、初期費用を大幅に抑え、導入効果を得られた後に、本格導入することも可能となっている。提出レポートでは、部門別・地域別の売上高などを、それぞれ表、折れ線・棒・積み上げグラフ、チャート、ツリーマップでの表示サンプルを数十種類用意している。

 例えば、「店舗売上高」では、地図上のポイントマップで店舗タイプごとに売上高をサイズ別に表現。全体の売上達成率を年、週単位で表示。店舗別の最重要KPIの達成度を一目で把握することができ、その達成度を店舗ごとに色分けできる。また「日別売上高と予測」では、折れ線グラフで過去の売上高、売り上げの予測を色別で表示。時系列に沿った売り上げの傾向、その予測を確認できる。木村課長は「各店舗の部門が地域で勝ち残るためには、過去のデータ分析だけではなく、リアルタイムのデータ分析、さらに先を予想することが大事になってきました。その情報を一目で把握できるように、見やすくカスタマイズしたレポートとして提出。店舗運営、経営判断にお役立ちします」と力を込めて語った。

データ可視化・分析ソリューション「Visualized CDA」の「店舗売上高」サンプル

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4分弱で理解REAL MD_QR