セブン&アイ・ホールディングス(HD)は6月27日、経済産業省が26日に電力需給逼迫注意報を発令したことを受け、傘下のセブンイレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂の節電対応を明らかにした。

 セブンイレブンでは電力の逼迫が予測される15~18時の店舗の作業スケジュールを見直し、①フライヤー(揚げ物の)仕込みは前後の時間に振り分け、電源はセーブモードまたはオフにする、②ドリンク類の補充に伴い、ウォークインの開閉はなるべく避け、前後の時間で補充などを行う、③トイレの便座ウォーマーの電源オフ、④給湯ポットはなるべく1台で運用、の四つの取り組みを加盟店に呼びかけている。対象地域は、1都8県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県、茨城県、群馬県、山梨県、静岡県の一部)。店舗数は約8800店舗。

 また、従来から取り組んでいる主な節電施策として、不要な電気をこまめに消すことや、扉を開けたまま作業をしないことなど、店舗で普段から意識できる項目をまとめた「省エネ対策重点6項目」を実施している。また店とセブンイレブンの店舗経営相談員(OFC)との打ち合わせの場で「省エネアプリ」を活用。店舗のストアコンピュータで、冷凍機や空調など項目ごとに自店の電気使用量を確認可能で、OFCが持つタブレットの「省エネアプリ」を使い、エアコンのフィルター清掃や室外機の前に物を置かないなど、省エネにつながる工夫を調べられる。自店の電気使用量が、店舗の大きさや開店からの年数など、状態が類似する店舗と比較できるページも用意している。

 イトーヨーカ堂では、店内照明について、食品・衣料雑貨売り場ともに基本照度を100ルクス下げて対応。追加策として、飲料とデイリーの冷蔵ケース、衣料雑貨の什器照明の一部消灯を実施する。また来店客に対して節電に対する理解と協力を求めるポスターを掲示している。

 対象地域は1都8県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県、茨城県、長野県、山梨県、静岡県)。店舗数は98店舗。

 経産省は、27日の東京エリアの電力需給は16時~16時30分の予備率が4.7%、16時30分から17時の予備率が3.7%の厳しい見通しで、「電力需給は予断を許さない状況」と指摘。さらなる気温の上昇とそれに伴う需要の増加、突発的な電源トラブルなどが発生した場合、予備率が最低限必要な3%を下回り、逼迫警報発令の可能性があることから広く節電を呼びかけている。また気象庁は同日、関東甲信、東海、九州南部の各地方で梅雨明けしたとみられると発表しており、セブン&アイグループ以外の企業でも徹底した節電が求められる。