ポプラは5月24日、2022年2月期に発生した債務超過の解消策を公表した。
債務超過となった要因は、コロナ禍での臨時休業や客数減による売り上げ低迷だ。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返された結果、21年2月期は、チェーン全店売上高が前期比25.5%減と大きく減少、13億1800万円の純損失を計上した。さらに、中計で進める自社ブランドからローソンブランドへの転換や業務改革の費用が加わった結果、22年2月期は、営業利益以下全て赤字となり、純資産が4億2900万円の債務超過に陥った。
債務超過解消に向けた取り組みとして、ポプラは引き続き、中計で掲げる事業構造改革を推進する。自社ブランドの「ポプラ」「生活彩家」などを運営する既存事業は、不採算直営店の削減や施設内店舗に最適な運営体制の構築で、店舗運営コストの低減に努める。また、宅配サービスの導入や出店フォーマットの多様化による売上拡大にも取り組む。
「ローソン」「ローソン・ポプラ」ブランドの新事業は、ローソン本部が実施する施策・キャンペーンなどの実行度を高めるとともに、ポプラオリジナル商品の「ポプ弁」で差別化を図り、売り上げ拡大につなげる。また直営店舗のフランチャイズ化の推進で本部経費を圧縮し、事業収益の最大化を図る。
製造・卸事業は前期、弁当工場や商品センターの集約・合理化による稼働率の引き上げと配送ルートの機動的な組み換えによる物流コストの低減を推進。今後は、自社運営の弁当惣菜工場を高度化し、製造小売業としての機能を強化。他業態への商品供給機能として事業を確立する考え。
資金面では、広島銀行との間で20億円のコミットメントライン契約を締結、それ以外の取引銀行とも総額21億円の当座貸越契約も締結し、当座の経営資金は確保した。また、エクイティファイナンスによる債務超過の早期解消についても検討を進めている。なお、中期事業計画については、前期実績及び進行期以降の計画を反映させた修正版を5月26日に発表する予定。
前期の債務超過は、新型コロナの影響に起因するものであるため、債務超過を要因とする上場廃止基準の猶予期間が1年から2年に延長される見込み。同日提出する有価証券報告書の内容を東京証券取引所が確認した上で、正式に決定される予定だ。