ローソンは10月11日、レジを通さず買い物できるウォークスルー決済導入店舗「Lawson Go(ローソンゴー) MS GARDEN店」を三菱食品の本社内に社員専用店舗としてオープンした。

 ローソンゴーは登録した専用アプリでQRコードをかざして入店し、商品を手に持って店外に出るだけで決済が完了するサービス。店内設置のカメラでお客の動きを確認し、棚の重量センサーと組み合わせることで、お客がどの商品をいくつ手に取ったかをAIが判別する仕組みだ。

アプリで入店すれば、商品を持って退店するだけで決済が完了する。上部のカメラと棚の重量センサーでお客と商品の動きを判別する

 ローソンは2020年2月、富士通新川崎TSレジレス店にてウォークスルー決済導入店舗の実証実験を開始した。が、コロナ禍でオフィス街の人流が減り、一時新たな展開を見合わせていた。足元で人流が回復してきたことから、旧店の進化形となる店舗を出店。飲食店、売店が減ったオフィス街にて利便性の提供を目指す。

 ローソンゴーMS GARDEN店の店舗面積は約5坪。米飯、デザート、飲料を中心に約170アイテムを扱う。商品は同じビルの1階に入居するローソンMS GARDEN店から供給する。同店の従業員が1日に数度、品出し・売り場管理などに訪れるが、基本は無人の運用となる。

米飯、デザート、飲料を中心に約170アイテムを扱う

 今回、重量センサーの性能向上により、富士通新川崎TSレジレス店には置けなかった70g未満の商品が販売できるようになったほか、フック陳列も可能になり、オフィス街で需要が高いポケット菓子などの品揃えが充実した。また、新たにアプリ以外の決済手段としてセルフレジを併設。入店・利用のハードルを下げる工夫を凝らした。

アプリ未登録のお客もセルフレジで買い物することができる

 1日の目標客数は80~100人を見込む。富士通新川崎TSレジレス店の客単価は約300円だったが、より採算性を高めるべく、比較的高単価の食事系の弁当や惣菜などの構成比を高めていく意向だ。

 今後の出店については、ローソンゴーMS GARDEN店の結果を検証しながら、同様のオフィスやホテル、病院といった閉鎖商圏への拡大を検討していくとした。酒井勝昭執行役員インキュベーションカンパニープレジデントは、「既にオファーをいただいているところもあり、今回の形式で導入に向けて話が進んでいるところもある。近隣に商品供給できるローソン店舗があることなど制約条件もあるので数を追うことはしないが、物件ごとにマッチするか見ながら出店していきたい」と意欲を示した。

ローソンゴーは今後オフィスやホテルなどの閉鎖商圏への展開を検討していく