ローソンは9月22日、アバター事業を手掛けるAVITA社と協業し、店舗の接客にアバターを導入する方針を発表した。まず、2022年11月末に都内にオープン予定の未来型店舗「グリーンローソン」にて試験展開を開始する。

 グリーンローソンでは、オペレーターがアニメキャラクターのようなアバターを遠隔操作し、画面を通してセルフレジの使い方の案内や、新商品の説明などの業務を担う。9月22日からローソンのホームページ上でオペレーターを公募しており、時給1100~2000円で10~30名を採用する。

グリーンローソンで導入するアバター 「そらと」さん(左)、「あおい」さん(右)

 今後、現場での運用やお客のニーズ、リアル従業員との業務分担などを検証した後、23年度中に東京・大阪のローソン10店で勤務するオペレーター50名を育成予定。さらに25年度中に全国各地のローソンで活躍するオペレーター1000名の育成を目指す。

 ローソンはアバター接客をDXを活用したコンビニの課題解決の一環と位置付ける。アバターの活用により、働く上で制約となる時間・場所・年齢・性別などの障害を取り払うことで、シニアや子育て中の主婦、障害を持つ人や外国に住んでいる人なども従業員として取り込む狙い。

アバターはセルフレジの案内などを画面を通じて遠隔で行う

 また、1人が同時に複数店舗で勤務することで店舗運営の効率化を検討。将来的には、遠隔での深夜防犯、ヘルスケアローソン・ケアローソンでの健康相談、地方特産品の遠隔販売、子供向け社会学習など、アバターの活用場面も拡大を検討する構えだ。

 ローソンの竹増貞信社長は、「25年には、1人のオペレーターがお困りの複数の加盟店さんで勤務できるような仕組みを整え、200店以上での展開を目指す。アバター接客の活用で、単なる冷たいデジタル化でなく、人の温かみのあるデジタル化を進めていきたい」と語った。

AVITAの石黒浩CEO(左)、ローソンの竹増貞信社長(右)