ローソンは、店内調理の弁当などを販売する「まちかど厨房」の事業を拡大する。現在、約9000店舗での展開を2025年までに1万店舗超まで増やすとともに、取り扱い商品の拡充、ゴーストレストラン、マチカフェプラスなどへの展開拡大も視野に入れている。
まちかど厨房は、04年に札幌市内で「できたて弁当」の実験を開始したのが始まりで、まちかど厨房として事業化したのは11年。その年発生した東日本大震災では、弁当・惣菜工場が被災し、商品供給が滞るなか、その補完機能を果たし、有事に役立つ事業として注目され、事業拡大につながった。また、20年以降は、コロナ禍で巣ごもりが続く中、身近な店で買える中食として需要を拡大。21年度のまちかど厨房の売上高は、19年度比で1.5倍に伸長した。
さらに店内で調理することで、作りたての商品を提供でき、かつ減塩などの対応も可能になり差別化が図りやすい、製造量のコントロールがしやすいなどのメリットもある。そのため、「ローソングループ大変革実行委員会」では、まちかど厨房を成長戦略の要として事業の強化を打ち出した。
事業拡大に向け注力したのが「できるだけ短時間で、かつ誰でも同じ品質のものが作れる」仕組みづくりだ。オペレーションを簡素化する機器の導入やまとめて作ることの推奨、簡単に作れる商品の開発などに取り組み、弁当・調理パンなど8種類24個を1時間で作れる方法をマニュアルにまとめた。
またラインアップの拡大や商品力向上にも乗り出した。10月25日の週からは、弁当や調理パンに加え、惣菜の取り扱いも開始。11月22日からは、使う米の銘柄をエリアごとに統一。全国を北海道、北東北、南東北、関東・甲信越、近畿、中部・中四国・九州の6エリアに分け、それぞれの地域で単一の銘柄米を使うことで地域ごとの特徴を打ち出す計画だ。