中小企業も海外進出が当たり前になる中、タイは人気の進出先だったが、最近は、様子が変わりつつある。2019年頃から日系企業の目がベトナムに向き始めているのだ。
 
 タイの首都バンコクで開催される製造業者の展示会「METALEX」はASEAN最大規模と言われ、日系企業も多数参加するが、現地子会社や進出の感触を探りに来た中小企業からは「進出先の本命はベトナム」という話を耳にすることが増えた。中小企業の海外進出を支援する自治体も、「進出を支援するなら今後はタイではなくベトナムだろう」という。タイに進出済みの企業からは、「タイは政治が不安定で、経済にも活気がなく、不安が大きい」という意見が多数聞かれた。

 タイは14年から軍事政権が続き、20年以降は若い活動家に扇動された反政府デモが活発化。クーデターが発生する度に欧州を中心にした国々ではタイ製品の不買運動が起こり、そのあおりを受け、タイでは貧困層を中心に失業者が増え、治安が悪化するという悪循環が起きている。

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