イオンリテールは12月10日より、2022年2月に発売する恵方巻の予約受付を開始する。
21年はコロナ禍の巣ごもり需要の高まりを受け、同社の恵方巻販売は前年比110%と伸長。中でも予約販売は同120%で、特にウェブ予約は200%と大きく伸びた。22年については、外出自粛による買い物控えが一段落し、徐々に高まっている「リベンジ消費」ニーズに対応。予約限定商品として、ずわい蟹を300g以上使用し、同社最高価格となる1万円(税別)の太巻と牛肉200gを使用したローストビーフの太巻(8000円・税別)など3商品を販売する。金子聡食品本部デリカ商品部長は、「プチ贅沢志向が高まっており、高価格帯商品を食べたいというニーズは結構あるのではないか」と自信を示す。
また、日本各地の漁師が厳選した地場素材を使用する「プライドフィッシュ」シリーズも21年に続きラインアップ。新たに、愛媛県産の真鯛を使用した「愛育フィッシュ愛鯛」と茨城県産のまさばを使用した「茨城常磐のまさば」を追加し、合計6品を用意。21年は予約段階で完売した商品があったことから、金子部長は「生産量を拡大し、売り上げを前年比2倍にしたい」と力を込める。また、銀座の名店「鮨よしたけ」監修の恵方巻2品は、予約に加え、店頭でも販売、前年比1.5倍の売り上げを目指す。恵方巻全体では、予約販売前年比130%、ウェブ予約同150%、売上高同110%を目標に掲げている。
イオンリテールは、食品廃棄ロス対策にも注力している。これまで、過去のデータに基づいて販売予測を立てているうえ、店内製造が中心であることから当日は時間帯ごとの販売数量を確認しながら調整。21年から店舗別の客数データを基にしたAI予測も活用することで廃棄抑制を図っている。なお、21年については完売した商品も出るなど非常好調だったこともあり、「廃棄はほとんどなかった」(金子部長)という。
イオンリテールでは、コロナ禍を経ておせちや恵方巻などのイベント性の高い食品に対するニーズが今後も高まるとみている。21年は、1997年以降に生まれた「Z世代」を中心に初めて購入する層が増えたという。金子部長は「昨年非常に伸びたおせちは今年も好調。食べてみておいしさや楽しさに気づいて見直されるようになった」と見ており、コロナ収束後もニーズの高まりや時代の変化に合わせて商品開発を進める考えだ。