イオンリテールは12月9日より、2023年2月に発売する恵方巻の予約受付を開始した。22年は需要の伸長を受け、同社の恵方巻販売は予約が1割増、店頭販売と合わせて5%増となった。23年は伸び続ける贅沢志向への対応として、1本3000円以上の商品を前年比3倍となる60本を展開する。一方で、節約志向やシェアして食べる需要に応え、ハーフサイズや4分の1サイズを1割増やし11品目用意する。

 贅沢志向への対応として、1万円(税別、以下同)の商品を昨年より1種類多い2種類を展開。一つは、「三重で水揚げされた伊勢えびを使った太巻」(冒頭写真)。ボイルした後、そのうま味を引き出せるようにほたてを組み合わせて巻き上げ、生の伊勢えびといくらをトッピングした。また、えび味噌を加えた特製オリジナルソースをかけて、違う味わいを楽しむこともできる。もう一つは「神戸牛ローストビーフを使った贅沢太巻」。神戸牛のローストビーフ200gを中身と外側に使用し、全体重量の約半分を占めるなど贅沢に仕上げている。

神戸牛ローストビーフを使った贅沢太巻

 さらに「家族でおいしいものを食べる季節イベントとしてパーティー需要が高まっている」(金子聡食品本部デリカ商品部長)ことを受けて開発したのが「23品目の極太巻」(1本5980円、1/4カット1580円)。ほたてや煮穴子、醤油漬けいくらなどを巻き上げた幅約12cm、重量約1.5kgと過去最大サイズの商品だ。

 金子部長が差別化商品と位置づける銀座の名店「鮨よしたけ」監修商品は、新商品として予約限定の「九種の贅沢具材と赤舎利の恵方巻」(本体3980円)を発売。特製寿司酢で仕上げた赤舎利を使用し、カステラ風玉子、煮穴子、漬け数の子など9種類の具材を巻き込んだ。

 このほか、日本各地の漁師が厳選した地場素材を使用する「プライドフィッシュ」シリーズでは、「呼子のイカを一杯分使った贅沢太巻」や「香住ガニの棒肉とほぐし身を贅沢に使った太巻」(いずれも本体5980円)など4品目を販売。

 食品ロス削減の取り組みとして、予約限定商品を前年比3倍以上の10品目をラインアップしている。イオンリテールでは、高価格帯や予約強化などにより、「恵方巻全体で前年比1.2倍の売り上げを目指す」(金子部長)考えだ。商品販売の対象店舗は、東北6県を除く、本州と四国、九州の350店舗。なお、鮨よしたけ監修商品はイオンリテール以外のグループ会社も含まれる。

金子聡食品本部デリカ商品部長は 「前年比1.2倍の売り上げを目指す」と語る